探究Ⅱ(3年生)
探究ファシリテーター配置 授業プログラム提供・実施

CASE

東京都立晴海総合高等学校様(令和6年度)

STORY

東京都立晴海総合高等学校の初めての取組みとなる、3年生を対象した探究Ⅱの授業において令和6年度(4月~9月)に探究ファシリテーターを配置しました。テーマ別に7つの分野に分かれた生徒が学外のコンテストの応募や協力企業の困りごと解決を図るため、探究ファシリテーターは、各分野のクラスにおいて、先生方と協同で授業を担当しました。生徒が主体的に行う班の活動をサポートしたほか、オリジナルのプログラムによるチームビルディングの授業を行いました。

SUPPORT 1

企画・授業の内容調整、実施

同校では、令和6年度に27期生(3年生)を対象に、「協働的な学び×社会とのつながり」をテーマに初の取組みとして「探究Ⅱ」の授業を企画。 これまでの学習活動(産業社会と人間、探究Ⅰ、人間と社会、課題研究)の成果を活かして取り組む授業で、班5人での協力や協働を基本とし、各生徒の力の結集や融合が求められるものでした。プログラムの検討にあたっては、キャリア教育事業コンサルタントが学校の「探究Ⅱ」検討委員会と打合せを実施。各班のチーム活動を立ち上げるため、コミュニケーションワークを学校の先生方と共同で企画、調整。(株)日本マンパワーではチームビルディングのプログラムを提供しました。

SUPPORT 2

探究ファシリテーターの選定・配置

探究Ⅱで設定されたテーマ分野への経験・知見等から7名を選定し、情報共有等管理体制を整え、各分野のクラスに探究ファシリテーターを配置しました。
SUPPORT 3

プログラムの実施・生徒支援

7つの分野のクラスは、1名の先生と1名の探究ファシリテーターが協同で担当し、班活動の立ち上げのコミュニケーションワークを実施しました。先生方のプログラムの実施に続き、チームビルディングのプログラム(2コマ)を探究ファシリテーターが担当しました。
その後、生徒は各班でチャレンジするコンテストや企業の困りごと等のテーマを
Missionとして検討。各授業日程4コマの授業における生徒の自主活動の際に、活動を主体的に進められるようサポートを行いました。
SUPPORT 4

クラス内の成果発表・晴海祭での発表

協力企業等のご担当者が、講堂で困りごととその解決に関するリアルな講演などを行い、その上で生徒が班での活動を進めるスタイルで探究Ⅱの活動が進められていきました。クラス内での段階的な経過発表や協力企業のご担当者によるレクチャー、提案内容に対するアドバイスなどをはさみ、晴海祭での発表に向けて準備を進めていきました。

班での活動が混乱や停滞した際には、生徒自身が考えて前に進めるよう、探究ファシリテーターが投げかけや声かけを工夫して行い、班の自主活動を見守り、後押ししました。

9月の晴海祭では、班ごとにコンテストへの応募内容や企業の困りごとに対する提案を発表しました。

また、各班の活動結果は、実際に外部のコンテストへ応募され、入賞や優秀作品に選ばれたり、協力企業から評価されるなど、表彰につながる成果もありました。

ここまでの探究Ⅱの取り組みについて、アンケートで9割の生徒が概ね満足(満足51%、まぁ満足39%)と回答しました。その理由として下記の主な点があげられました。

  • 班のメンバーみんなで協力したこと
  • 今まで体験したことのないことに取り組んだこと
  • 納得のいく内容にまとめられたこと、評価されたこと
  • 目標を達成できたこと
  • 楽しく充実感を感じたこと など

各クラスの探究ファシリテーターによる自分や班の活動への影響について、下記のようなコメントがありました。

生徒のアンケートから
~探究ファシリテーターの自分や班の活動への影響について~

  • 発表を終始真剣に聞いてくださって、ここが良かったと褒めてくださってとても安心感とやる気に繋がりました。
  • 探究ファシリテーターの方が今どんな状況かを聞いてくださって、伝える時に改めて現状を整理し直して把握することができました。また、その先どうすればいいかのアドバイスや相談に乗ってくれるので自分たちでは出なかったアイデアを出すことができました。
  • 私たちの班を担当していた探究ファシリテーターさんは、毎週優しく様子を確認してくださった。私たちに答えをくれるのではなく答えに繋がる道となる質問や例をたくさん提示してもらった。すごいなぁと感じることばかりであった。
  • 私たちのテーマが探究ファシリテーターの方の専門と近いこともあって、私たちが知らないことや調べてもわからないことなどをたくさん詳しく教えてくださり、また進みが滞っていた時に現状を一緒に整理して考えてくださったため、いなかったらやりきれなかったと思います。
  • 外部の方がいるという場面は、自分を客観的に見つめ直すということに大きな成果を得ることができた。実際に会社に属する人の価値観は先生や生徒から得られるものとは違い、新しい発見や自分の考え方を見つめ直すきっかけになった。 
  • 学校の先生以外の大人の人から意見をもらえる機会はなかなかないのでとても貴重な経験になりました。話しかけてくれるおかげで活動の雰囲気もとても楽しい感じになってとてもよかったです。
COMMENT

担当の先生からのお言葉

東京都立晴海総合高等学校 研究部主任兼キャリアカウンセラー
主幹教諭 桜井伸一 先生
(お肩書は令和6年10月現在)

本校はこれまで25年以上、課題研究を基軸にした探究学習に取り組んで参りました。自己の興味・関心を深める探究を行うことで、生徒のキャリア形成を促す成果を得ることができました。この度本校は、探究学習のパイオニア校として「一歩先の探究学習」を目指し、「探究Ⅱ」という授業プログラムを開発いたしました。内容は、これまでの自己の学びの成果をすべて集結させ、無作為に形成されたグループで、企業の課題や世の中の課題についてその解決策を検討し、実際に企業へのプレゼンテーションまたは各種コンテストに応募するという内容です。この授業の指導・支援方法について日本マンパワー様と共に考え、そして一緒に「探究Ⅱ」の授業を作り上げました。

東京都立晴海総合高等学校 研究部副主任
主任教諭 下川 静佳 先生
(お肩書は令和6年10月現在)

日本マンパワー様には、クラスの傾向を踏まえて探究ファシリテーターを各クラスに配置していただきました。チームビルディングから始まり、合意形成の仕方、応募するコンテストの選定、研究、発表…と、教員と探究ファシリテーターとで、生徒たちの探究学習をサポートすることができました。 初めての「探究Ⅱ」という授業に、我々教員も不安が大きくありましたが、文化祭での成果発表の様子や、生徒のふりかえりから見取るに、生徒の満足度の高い探究学習をおこなうことができたと自負しております。



担当キャリア教育事業コンサルタントより

同校は、都立高校初の総合高校として創立された学校です。
早期からガイダンスセンターにキャリアカウンセラーを配置、「産業社会と人間」などキャリア教育の授業では、オリジナルの教材でグループワークを多く活用するなど、生徒のキャリア支援に先進的な取り組みをされてきました。
3年生で初めて実施される探究Ⅱの授業では、新たに編成されたグループでの協働的な学びを通して社会課題へチャレンジすることがテーマとなりました。
前年度の準備段階より検討委員会の先生方のお話を伺い、ご提案等をいたしました。
実施にあたっては、新年度の新たな体制の中、研究部の探究Ⅱご担当の先生方が、全クラス共通のプログラムの作成、クラス担当の先生方へのご説明や調整、協力企業等とのプログラム調整、各日程における実施準備等、学校で前例のない取り組みを推進されました。ご一緒に準備の確認や、当日の対応、振り返り等を行い、ご相談をしながら活動を進めました。
各クラスでは、生徒の自主的な活動が促進されるよう、探究ファシリテーターが担当の先生とコミュニケーションをとりながら、7つのクラスの特性に応じた対応を行いました。


お問い合わせ先

キャリア支援事業準備室 tankyu@nmp-g.jp
※上記メールアドレスよりお問合せください。折り返し担当よりご連絡させていただきます。
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