オンボーディングにつながる
 学習効果や定着を重視した内定者教育・新入社員研修
プリマハム株式会社 様 導入事例

 新入社員の早期離職は、企業にとって見過ごすことのできない課題のひとつです。
今後ますます、人材の確保と定着が企業の競争力を左右する要因となっていくでしょう。

本記事では、内定段階からきめ細やかな教育機会を提供することで、若手社員のオンボーディングに
尽力されているプリマハム株式会社の意欲的な取り組み事例をご紹介いたします。

「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」という目指す姿の実現に向け、人材育成や組織文化の変革に
どのように取り組んでいるのか、具体的な施策や今後の展望について詳しくお話を伺いました。

<ご担当者>
人事部 採用・教育課
田島 理  様
水谷 優花 様

<導入いただいたサービス概要>
研修名  (内定期間)「新社会人のBusiness Basic」
     (入社後) 「新入社員研修」
タイプ  通信教育・eラーニング/講師派遣
受講者数 56名(2025年卒)

■担当業務におけるミッションを教えてください。

(水谷様) 私は新卒採用をメインに、採用・教育課として社内の教育にも携わっています。
採用については、優秀な人材の確保はもちろんですが、当社組織の風土にマッチしながら、長く活躍できるかどうかを常に意識しています。

(田島様) プリマハムグループでは中期経営計画の方針のひとつである、「持続可能な経営基盤の強化」の中に、「人材の確保と育成による変革意識の醸成」という項目があります。
 従来からある仕事や、やり方を今までどおりにやるのがすべてではなく、しっかりとチャレンジして、もっと言えば、当社の目指す姿である「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」の実現に向けて、変革意識の醸成と、自らチャレンジして会社を変えていくという意識を持った人材を育成していくことです。そのことは、私たち採用・教育課にも当然求められています。
■変化を前向きに捉えて、前例主義から脱却できる人材が必要ということでしょうか?

(田島様) そうですね。そのひとつの方法が教育なのですが、その点で言うと、御社(日本マンパワー)に支援いただいている部分として、内定者向けのコンテンツであったり、入社してすぐの研修であったり。
 内容としてはビジネスマナーなどのベーシックな側面かもしれませんが、最初に土台をしっかりと固めたうえで、階層別研修や各事業本部が主体となって行う教育をもとに変革意識を醸成してもらいたいですね。土台がないと変革も何もないですから。
■人材育成上の課題感がありましたら、教えてください。
(田島様) 当社の特徴のひとつとして、人材の年齢構成があげられます。過去に 7~8年間程、ほとんど新卒採用していなかった時期がありまして、具体的には、30代後半から40代半ばにあたる世代が少ない構成になっています。
 本来であれば、その世代が現在、管理職として活躍する、もしくは次の部長レベルとして活躍していると思うのですが、その世代の人材が少ないという状況ですので、人材育成面でも課題ですが、人材を採用するという側面でも大きな課題として捉えています。

 それと、新卒の育成に目を向けると、前年踏襲で研修を実施してしまいがちです。「前の年と同じ内容」というのが必ずしも正解ではない中で、研修の内容にしても、やり方にしても、それこそ「変革意識」を持ってやらなければいけないという想いはありますね。
■採用の面ではいかがでしょうか?

(田島様) 新卒採用のみならず、キャリア採用にも注力し、多様な人材の獲得に取り組んでいます。
 ただ、研修というところの教育については、まだまだ私たちが持っているノウハウは少ないです。よって、新入社員の定期採用と比べたときに、十分な受け入れ体制ができているかというと、むしろ課題だと考えています。
■キャリア採用者のオンボーディングは各社さんが悩んでいらっしゃいますね。

(田島様) キャリア採用で入社した方たちは、基本的に同期がいないというなかで、孤独感、孤立感があります。今年に入ってからキャリア社員研修を実施した時も実際にそんなコメントが寄せられました。同期がいないことで相談相手がいないだとか、即戦力と見なされてしまい教えてもらう機会が少ない、できて当然と見られるなどの声がありました。もちろん、配属先の人材ニーズは「即戦力」ですが、どんなに優秀な人材でも一朝一夕に組織に馴染めるわけではありません。先ほど申し上げた、管理職になってほしい世代の薄さも含めて、キャリア社員への働きかけやフォローは、当社の課題として捉えています。
■一方で、新卒の早期離職は極めて少ないとお聞きしています。

(田島様) 新卒入社3年間の離職率についてですが、低い方だと思います。一般的に、この離職率は30%と言われていますが、当社の場合は10~15%程度です。
■何か具体的な施策や工夫なさっている点はありますか?
(田島様) ひとつは、御社(日本マンパワー)の内定者向けテキストや、御社の研修講師によるところが大きいと考えています。具体的には、内定期間中にこちらのテキストを学習してから、入社後の「新入社員研修」、その後に、「2年目研修」、「3年目研修」を同じ講師に担当いただいています。最初の研修で同期の絆が深まり、一度はさまざまな配属先に散らばってそれぞれの地で頑張ったのち、再び同期が集まって研修を受けるといった流れです。正式配属となったあとも、何度か同期での研修があるというのは安心感にもつながると思いますし、原点に立ち戻るといった意味でも、2年目研修、3年目研修は、自身の見つめ直しを通した離職の防止にもつながっているものと評価しています。
(水谷様) 私自身も2年目研修を受けさせていただきましたが、同期は携わっている業務も担っている役割もまったく違う中で、御社の研修講師のかかわりにより、自分自身のことをアウトプットしたり、まわりの同期も「こんなに頑張っているんだ!」ということを知ることができたりしました。「自分も頑張ろう」と自身を鼓舞するという意味でも、実りある良い時間になったというのが実感です。

(田島様) その他、離職防止の取り組みとして、メンター制度を取り入れています。そこで、直属の上司や先輩には話しにくいことについても、いわゆる「斜め」の関係でフォローしたり、場合によっては人事部がフォローしたりしています。
 しかしながら、メンター制度もさることながら、元々この会社が持っている先輩たちのフォロー体制でしたり、これまで醸成されてきた社員たちの助け合う意識のほうが当社の財産として大きいと感じます。
■弊社の「内定者向けコンテンツ」についてのご感想を伺えますか。
(水谷様) 従来の内定者向けコンテンツとはイメージがかなり違って、まずテキスト誌面の色や行間といった見た目が、ものすごく見やすくなっているなと感じました。
 それと、とても理解しやすい動画を取り入れていただいたことで、学ぶことへの抵抗感が払拭されたり、復習の部分でも安心感につながったり、といった効果があると思います。
 かわいいキャラクターも出てきて、とにかく、全体的な印象として、親しみが持てる教材だと思います。

(田島様) 全体的に見やすくなっています。テキストのコンテンツのイマドキなところも好印象です。
 当社だけの課題ではないと思いますが、内定者教育で難しいのは、まだ入社前の方々に対して、どれくらいのボリュームで学習していただくかという点で悩ましいところがあります。教材の内容が細かすぎたり、ボリュームが多すぎたりすると、内定者はとりあえず教材をちらっと見て、テストだけ取り組むようなことがあっても困ります。
 今回の御社の教材は、学ぶ時間と効果の面で、ちょうどよいバランス感ということを感じていました。
 以前の教材と比較しても、とてもよく改善された考えられた教材というのは、間違いなく見受けられましたので、われわれとしても決断しやすかったです。

■実際に受講いただいた皆さまからの評価はいかがでしたか?

(水谷様) 内定者たちは、ほかの教材を目にしたことがないので、比較はできないと思いますが、違和感があるようなコメントや質問は一切ありませんでした。しっかりと教材に取り組んでもらって、理解が促されたと思っています。
 また、入社後の集合研修との連動という面で、かなり連携がとれていた印象ですね。たとえば、もっとも苦戦しがちな「電話のロールプレイング」について、内定期間中にテキストと動画で学習し、入社後の研修で講師の説明を受けたうえで、ロープレに臨む流れができているので、かなりしっかりと身に付いていた印象です。
■逆に、ここはこうあるべき、といったご指摘や改善提案はありますか?

(田島様) 現状で一定の満足をしていますが、テキストとは別冊でハンドブック的なものがあると良いかもしれませんね。入社後の実務において、「このマナーで大丈夫だっけ?」「名刺の出し方ってこうだったっけ?」と思ったときに、振り返るツールがあると、新入社員みんなが持ち運ぶかもしれません。

(水谷様) 私も、携帯できるツールや、すぐに振り返ることができる短い動画ですね。今の若い人って、TikTokやYouTubeショートといった、とても短い動画だと見る風潮があると思いますので、たとえば、単元ごとにまとめられていて、本当に一瞬で視聴できるようなコンテンツがあると喜ばれるかもしれませんね。

(田島様) また少し、余談になりますが、新入社員研修全体を運営する中で、御社に担当していただいている部分、そこだけが外部パートナーに委託しているカリキュラムになっています。
 われわれとしては、研修全体にメリハリをつけたいと考えており、社内講師だけですと、どうしてもビジネスにも必要な緊張感、ピリッとした雰囲気作りが難しいです。だからこそ、御社に委託している意義があると思いますし、そこは非常にありがたいです。
■採用も教育も、正解がない中でご苦労なども多いかと存じますが…。

(田島様) 「採用」担当というと、一見華々しく見えるでしょうし、学生さんにいろいろな良い話をすることで、人気を得るみたいな…。少なからず、そういったことがあると思います。ただ、実際に働いているとイメージと違う面がありますし、採用の表舞台以外にもいろいろな業務や役割があり、見えづらい苦労があるな、というのが本音ですかね。
■だからこそ、常にお忙しそうにお見受けしています。

(田島様) そうかもしれません。「忙しそうに見える」は社会人としてはあまり良いことではないかもしれませんが…。今回の話とは少々逸れますが、意外と泥くさい仕事ですし、何かやるにしても、基本的には社員の皆さんにお願いをする立場ですので、ただ自席に座りながら、というわけにはいきません。

 また、採用も教育も、やればやるほど成果が出ると思っています。当社の場合は少人数で遂行していますので、いかに効率を上げて、さまざまなことにチャレンジするか、さらに、先ほど申し上げました変革意識についても、人事部が率先してそれを社内に見せる立場かな、と思いますので、いろいろな知恵を絞って変えようとしています。
 そのためには、若手のアイデアをたくさん取り入れて、カタチにしていきたいと思っています。
■そういえば、水谷さんが「社長賞」を表彰されたとか?
(水谷様) 「プリマチャレンジ」という表彰制度にて、社長賞をいただきました。新しい取り組みに挑戦することについて、ポジティブに捉えていましたので、いろいろな方々の手を借りながらではありましたが、楽しく取り組ませていただきました。

(田島様) 実はその取り組みも、きっかけは階層別研修内での「プリマハムをどのようにして良くするか」という、アイデアから生まれたものでした。そうしたアイデアを具体化し、実現できる風土があるのが、この会社の良いところであり、強みのひとつとして捉えています。
 それと、1回でベストを求めすぎず、改善点を見つけたうえで、次回以降に「1回目よりもベター」に変えていこうという意識もありますね。まずは、一歩を踏み出すといった変革ができたことが、何より良かったと思います。
■最後に、今後の展望についてお聞きできますか。

(水谷様) 現在も、若手から意見を言ったり、チャレンジできたりといった環境にありますが、その部分をさらに強化して、若手が会社を盛り上げられるような制度、風土にしていきたいと思っています。
 若い人が離職したい、転職したいといった気持ちに傾くのは、どうしても歯がゆい思いをしたり、何かしらの不安や不満からだと思いますが、そこを解決できる制度の活用であったり、風土を醸成することであったり、といったことでしょうか。

(田島様) 「人」という面で見ていくと、どうしても一人ひとりのキャリアプランは違っていて、どこかのタイミングで異動したいなとか、転勤はしたくないな、もしくは退職したいな、と思うことが絶対にあると思っています。人事部員として、それらを単純に、個々のプランとして切り離してしまうのではなく、何かしら寄り添えるようにしていきたいです。
 寄り添うためには、本人が何を思っているかを正しく認識することがもちろん大切で、寄り添える土壌をしっかりと根付かせていることもまた大切だと考えています。

 一方で、「企業」として見れば、これだけ「人的資本」が叫ばれる中で、私たちはその人材がいかに輝けるかといった面を担っていると思いますし、繰り返しになりますが、変革意識をしっかり持って、われわれ人事部がそういったことを先導できるような役割で、進んでいきたいと思います。

 最後に、冒頭でもお話ししましたが、当社の目指す姿として、「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」があります。先日も、新卒の会社説明会で話してきたのですが、「感動」を与える対象は、決して社外のお客さまだけでなく、社内にも必要だと思っています。
 社内に感動を与えられる関係性があったら、とても素敵なことではないかと思っています。その土壌を作ることも、われわれに課せられた役割のひとつと認識しています。

(2025年6月 東京都品川区・プリマハム株式会社本社にて)

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新社会人のBusiness Basic

 オンボーディングを成功させるためには、新入社員が社会人としての意識や基本的なビジネスマナーを学ぶことが不可欠です。

 教材は、テキスト、要点をまとめた動画、実践動画で構成されています。
 受講期間が終わってもテキストが手元に残るので、必要なときに、いつでも学ぶことができます。
 さらに、マスコットキャラクター「まなびーぬ」による解説で、楽しく学ぶことができるのも魅力です。

 ● 受講期間 6ヵ月  ● 法人受講料(税込) 13,200円

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