一人ひとりのキャリア、言い換えると働き方や生き方を、大きく左右する要素の一つが価値観です。
価値観は、その人が大切にしたい考え方で、現在からキャリアビジョンまでの道のりを「貫くもの」または「こだわり」と言えます。
日本マンパワーが開発した『バリューカード』は、働くうえで大切にしていることや考え方(=価値観)を明らかにすることで、仕事と仕事に対する価値観を連結し、今後のありたい姿を考える上での指針とするための自己診断ツールです。
『バリューカード』では、仕事をするうえで大切にしている価値観を「15 の仕事の価値観」から選択します。
以下では、Webアプリ版『バリューカード』のデータの分析結果をご紹介いたします。
分析方法・対象
バリューカード(「15 の仕事の価値観」のなかで最終的には一番大切にしている価値観を選択するWEB型のアセスメントツール)コンテンツで実施され蓄積された結果データをもとに集計・分析
対象期間:2022 年4 ⽉〜2025 年5⽉
対象人数:2,920 名が検査を実施、分析可能対象人数は2,844 名
全体の傾向
「プライベートの時間」「安全/安心感」が最も多く重視され、逆に「権威/責任」や「社会的な評価」は選ばれにくい傾向が見られました。
これは、ワークライフバランスを重視する現代の働き方や、安定を求める社会意識の高まりを反映しています。
各項目が表す価値観:private:「プライベートの時間」/safety:「安全/安心感」/reward:「報酬や豊かな生活」/agreeable:「他者やチームとの協調」/contribution:「社会のために役立つ」/influence:「他者への影響力」/individuality:「個性を発揮する」/authority:「権威/責任」/autonomy:「自律」/ordering:「秩序/完璧を目指す」/adventure:「冒険/リスクを恐れない」/evaluation:「社会的評価」/beauty:「美的なものを追求する」/diver:「多様である」/activity:「身体的活動」
性別による傾向
性別による価値観の差は限定的であるものの、「報酬や豊かな生活」では男性の選出割合がやや高く、「安心感」では女性が高い傾向を示しました。
ただし、統計的に有意な差があった項目は一部にとどまり、価値観は性別を問わず共有されつつあることも示唆されました。
年代別の傾向
・20 代は、「プライベートの時間」「報酬や豊かな生活」など、自身の生活基盤や自由を重視する傾向
・30 代〜40 代では「社会のために役立つ」や「他者への影響力」など、組織や社会に対する関心が高まる
・50 代以上では「安全/安心感」「他者やチームとの協調」「社会のために役立つ」が相対的に高く選ばれ、個人志向から他者志向へのシフトが見られる
このように、年齢とともに「個人中心の価値観」から「社会や他者との関わり」へと重心が移る傾向が明確に観察されました。
▶本文では、性別・年代別の統計的な有意差の有無を含めた詳細な分析と、今後の人材育成・組織開発に活用可能な示唆を提示しています。ぜひ本文をご覧ください。
【作成体制】
Project Leader: HR 法人ソリューション本部 コンサルティング部 木下幸代
Project Planner:HR 法人ソリューション本部 コンサルティング部 ⻄村 広隆
HR 法人ソリューション本部 コンテンツ部 嶋 美乃
Data Analyst: HR 法人ソリューション本部 コンテンツ部 鈴木善信
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